インドの主要IT関連企業が加盟している団体であるNasscomと経営コンサルティングファームのボストンコンサルティング(BCG)社が共同で発表したレポート「AI(人工知能)-Powered Tech Services: A Roadmap for Future Ready Firms; AI & GenAI's Role in Turbocharging the Industry」によると、インドのAI市場で年平均成長率25~35%で成長し、2027年までに170億米ドルに達する見込みであるという。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが2月28日付で伝えた。
同報告書によると、この成長を後押ししているのは、企業の技術支出の増加、インドのAI人材基盤の拡大、AI投資の大幅な増加などの要因である。特に、AI投資は2019年以降、世界全体で年平均成長率24%を記録しており、2023年の見込み投資額は830億米ドルに迫る勢いだ。企業のハイテク投資の急増に伴い、テクノロジー・サービス・プロバイダーは、革新的なAIを活用したサービスやソリューションを幅広く構築しており、独自のAIや生成AIプラットフォーム、自動化用ツール、データ分析ソリューション、ヘルスケア、銀行・金融、小売などの業種に特化したAIアプリケーションの開発が含まれる。
さらにインドにはAIの職務に従事する人材が2番目に多く、スキルの普及率は最も高く、AIスキルを持つ人材の数は他国の3倍であるという。AIへの投資が急速に増加しているため、インドのAI人材に対する需要も2027年まで年平均成長率15%で成長すると予想されており、インドのハイテク業界では、AIエンジニアなどの職種が前年比67%増となるなど、過去12カ月間でAI/ML関連の職種がすでに15%以上増加しているという。
Nasscomのプレジデントであるデブジャニ・ゴッシュ(Debjani Ghosh)氏は、「インドのハイテク企業は、生成AIの登場により、サービス内容を再定義し、顧客により多くの価値を提供し、新たな業界標準を打ち立てています。この流れを加速させるには、AIのスキルアップ、倫理的で安全なAI開発の実践とガバナンスの枠組みへの大規模な投資、透明性と人間による監視を優先する人間中心のアプローチへの根本的な転換が必要です」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部