2024年04月
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水牛の管理にAIを導入、国内初 インド

インドの国立水牛中央研究所(CIRB)は、水牛に人工知能(AI)センサーを導入するインド初の革新的なプロジェクトを開始した。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが3月12日に伝えた。

このプロジェクトは、CIRBのTK・ダッタ(TK Dutta)所長とアショク・バルハラ(Ashok Balhara)主任研究者の指導のもと、AIを活用し、畜産農家と飼育者が家畜の健康をリアルタイムで監視・管理する方法の変革を目指し、2024年4月1日に開始、2029年までに完了する見込み。また米国のビル&メリンダ・ゲイツ財団が、インド工科大学ロパー校(IIT-RPR)ならびにオーストラリアのアデレード大学と提携し、1億5000万ルピーの資金提供を約束している。

世界の水牛飼育頭数の56%に当たるインドの水牛は、インド国内の牛乳供給に極めて重要である。水牛にAIセンサーを装着することで、畜産農家が水牛の健康状態について把握することが可能となり、病気の発生や健康状態の変化、妊娠の可能性などの監視および判断、また水牛の体内の化学的変化の検出などに役立つ。また、これらの情報はモバイルアプリケーションを通じて、畜産農家の携帯電話に簡単に送信される。センサーがモバイルインターフェースを介して水牛の活動を包括的に監視し、収集データがCIRBサーバーに転送され、クラウドコンピュータに接続された後、AIアプリケーションに統合されデータ分析が行われる。これにより、畜産農家が直面するさまざまな課題に対しカスタマイズされた解決策を提供することができる。

このプロジェクトは、農家の運用コスト削減を図り、畜産生産性の向上を目指す。バルハラ氏は、「水牛の疾病や行動変化が予測可能となり、プロアクティブな健康管理を促進できます」とメリットを強調している。今後、この技術により畜産業界の裾野が広がり、より多くの人々が畜産に従事し、利益を得ることができるようになることが期待される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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