インド電気通信規制庁(TRAI)は、M2M(Machine-to-Machine)通信における組み込みSIMの利用に関して、利害関係者からの意見や審議内容、独自の分析に基づいた最終勧告を発表した。3月26日付け。
M2M通信のための組み込みSIMの使用については、インド電気通信省(DoT)により、2021年11月9日付の書簡を通じて、1997年のTRAI法に基づくTRAIの勧告を求めていた。それに応じて、TRAIは2022年7月25日、M2M通信のための組み込みSIMに関するコンサルテーション・ペーパーを発行し、利害関係者からのコメントとカウンターコメントを募集した。その結果、15の利害関係者から意見が提出され、2022年12月14日にはコンサルテーション・ペーパーに関するオープン・ハウス・ディスカッションがインターネット上で開催された。今回発表された最終勧告には、これらの意見や審議内容に加え、独自の分析が反映されている。
5Gサービスの展開に伴い、インドにおけるM2Mは大きく拡大し、農業、運輸、ヘルスケア、産業オートメーションなど、経済のさまざまな分野での応用が広がっている。勧告は、インドにおけるM2M組み込みSIM(M2M eSIM)の規制状況を合理化することを目的としており、TRAIは勧告を通じて、ネットワークセキュリティの確保、詐欺リスクの軽減を進め、M2M eSIMエコシステムの全体的な整合性の強化に不可欠な顧客確認手続きの基本概念であるKnow Your Customer(KYC)による、セキュリティを確保することに重点を置いている。またTRAIは、eSIMのプロファイル切り替えとeSIMとの安全な通信を確立し、プロファイルを管理するサーバであるSM-SRの交換を推奨している。これはM2M eSIMユーザーに大きな柔軟性を提供し、この分野における健全な競争を促進するものだ。
勧告には、国際ローミング中の輸入機器に装着されるM2M eSIMの通信プロファイルのサービスプロパイダを国内業者のものに変換・再設定する義務などが含まれており、詳細は、TRAIのウェブサイト(www.trai.gov.in)上で公開され確認できるようになっている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部