2024年05月
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水力発電容量増加へ、15GWのプロジェクトが進行中 インド

インドの電力省は4月5日、現在15GWの水力発電プロジェクトが進行中で、2031~2032年までに、水力発電容量が現在の42GWから67GWまで増加する予定であることを発表した。

ヒマラヤ地域に位置する水力発電プロジェクトは、雪解けによって生じる地表流出から基本流量を得ているが、今後の気温上昇によって雪解け水が増加すると予測されている。また、インドで進行中のエネルギー転換を考えると、揚水発電プロジェクト(PSP)の開発が送電網の電力を調整するために重要であるとしている。PSPは「水電池」とも呼ばれ、近代的なクリーン・エネルギー・システムを保管するものとなり得る。現在インドでは2.7GWのPSPが建設中で、さらに50GWのPSPがさまざまな開発段階にある。

インドはエネルギー転換の只中にあり、現在のエネルギーミックスにおいては太陽光発電と風力発電が大幅に導入されている。水力発電は電力網に不可欠な安定供給を提供することで、電力系統の信頼性とレジリエンスを高める重要な役割を果たしてきた。

国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)パリ協定の下、2030年までにGDPの排出源単位を2005年比で45%削減し、2030年までに電力設備容量の50%を非化石燃料で賄うという、国が決定する貢献(NDC)で掲げた目標に沿って、インド政府は水力発電開発に積極的な姿勢を示し、加速度的な進展を目指している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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