インド植物調査局とインドのヘムワティ・ナンダン・バフグナ・ガルワール大学の研究者らは、ヒマラヤで新たに5種の野生キノコを発見し、さらに2種を国内で初確認したと発表した。科学誌nature indiaが5月11日に報じ、研究成果は学術誌Scientific Reportsに掲載された。
研究チームは、ヒマラヤのウッタラーカンド州とメーガーラヤ州で広範な大型菌類の調査を行い、ヒラタケ科の野生キノコを収集した後、キノコの形態や構造を観察し、遺伝子分子系統学を用いて複数の遺伝子がどのように進化してきたかを解析することで、今回の新種を同定した。
新種は、レッチネルム・ボティ(Leccinellum bothii)、フィロポルス・ヒマラヤヌス(Phylloporus himalayanus)、フィロポルス・スミティ(Phylloporus smithii)、ポルフィレルス・ウッタラカンダエ(Porphyrellus uttarakhandae)、レチボレルス・シュードイーター(Retiboletus pseudoater)である。インドで初確認された2種は、レッチネルム・シノウランチウム(Leccinellum sinoaurantiacum)とゼロコムス・ルゴセルス (Xerocomus rugosellus)である。
この研究は、ヒマラヤ地域のキノコの多様性と生態系に関する理解を深めるだけでなく、キノコ科の隠れた多様性を明らかにし、正確な種の同定と進化関係の理解のために多遺伝子解析が重要であることを強調している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部