インド科学技術省(Ministry of Science & Technology)は6月3日、インドの科学産業研究機構(CSIR)が画期的な縦断的健康モニタリングプロジェクトであるPhenome India-CSIR Health Cohort Knowledgebase(PI-CheCK)の第1段階が1万サンプルを収集し成功裏に終了したことを発表した。
(出典:PIB)
プロジェクトの節目を記念して、CSIRは6月3日、インドのゴアのCSIR国立海洋学研究所(CSIR-NIO)で特別イベント「Phenome India Unboxing 1.0」を開催した。イベントにはCSIRゲノミクス・統合生物学研究所(CSIR-IGIB)のスービック・マイティ(Souvik Maiti)所長、NIOのスニル・クマール・シン(Sunil Kumar Singh)所長、IGIBのシャンタヌ・セングプタ(Shantanu Sengupta)主任研究員らが参加した。
セングプタ博士は「インドでは心・代謝性疾患に大きな問題を抱えているにも関わらず、インド人の罹患率が高い理由は完全には解明されていません。欧米における危険因子がインドにおける危険因子と同じとも限りません」と語った。さらに目標の1万サンプルを収集できたことにふれ、他の組織にも同様のサンプル収集活動を開始するよう呼びかけた。「10万~100万サンプルを収集できれば、国の主要なパラメーターをすべて再定義すること可能になります」と博士は述べ、CSIRがサンプル収集のための費用対効果の高い標準操作手順を開発したことを説明した。
PI-CheCKプロジェクトは、2023年12月7日に開始され、インド国民の非伝染性(心臓代謝性)疾患の危険因子を評価することを目的とする。包括的な健康データの提供を志願した約1万人の参加者がすでに登録されており、収集データには、臨床アンケート、生活習慣、食習慣、身体測定値、画像/スキャンデータ、広範な生化学的・分子生物学的データなど幅広いパラメーターを網羅している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部