インド農業・農民福祉省(DA&FW)は6月27日、農業の資金調達に関する議論を行うため、政府と州政府の高官、専門家、利害関係者を集め、「革新的なアグリバリューチェーンファイナンスでインドのアグリビジネスの潜在力を引き出す(Unleashing India's Agribusiness potential through Innovative Agri Value Chain Financing)」と題するワークショップを開催したことを発表した。
(出典:PIB)
イベントにはインド政府および州政府の高官、専門家、利害関係者が集まり、農業融資の力学について議論した。
DA&FWのマノージ・アフジャ(Manoj Ahuja)次官は、農業のバリューチェーンにおける資金調達の重要性について、生産中心のアプローチから需要主導型のアプローチへ転換することが急務であるとの考えを示し、「インドのアグリバリューチェーン(AVCs)を総合的に発展させ、世界マーケットと統合するためには、供給不足への対処から、マーケットの需要に応えることに重点を移さなければなりません」と述べた。また、AVCsの効果的な発展のため、責任あるデジタルシステムを導入することが望まれるとし、包括的な政策の枠組みが必要であると述べた。
全国農業農村開発銀行(NABARD)のK・V・シャジ(K.V. Shaji)会長は、銀行が情報に基づき決定を下し、効果的なバリューチェーンファイナンスを可能にするためには、国内にある自助団体(SHG)や農産物生産者団体(FPO)から信頼できるデータを入手することが急務とした。シャジ氏は、農産物の加工、ブランド化、販売のための施設など、農村部における公共インフラの整備を提唱する。さらに、シャジ氏は統合的なバリューチェーンファイナンスの観点から、農村部における協同組合のガバナンス体制を強化する必要性を訴えた。
ワークショップの中で行われたパネルディスカッションでは、クラスター・ベースのアプローチや革新的な融資メカニズム、FPOのバリューチェーンへの統合など、アグリバリューチェーンファイナンスのさまざまな側面が取り上げられ議論された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部