2024年08月
トップ  > インド科学技術ニュース> 2024年08月

男女格差是正を目的にウィキペディアエディタソン開催 インド工科大学デリー校

インド工科大学デリー校(IIT-D)は7月5日、同大学の男女共同参画と感化のためのイニシアチブ(IGES)とアカデミック・アウトリーチ・アンド・ニュー・イニシアチブズ・オフィス(ONI)が共同で、ウィキペディア(Wikipedia)上の男女格差の改善を目的とした編集集会であるエディタソン(edit-a-thon)を開催したと発表した。

学術誌Natureに掲載された最近の論文(https://www.nature.com/articles/d41586-022-01456-x)によると、英語版ウィキペディアに登録されている150万人の人物経歴のうち、女性の経歴は19%であった。今回のイベントは、こうした状況に基づいて、ウィキペディアの男女格差の改善に取り組むことを目的に開催された。エディタソンにはIIT-D主催のSTEMメンターシップ・プログラムに参加した女子学生や、アラブ首長国連邦アブダビの学生、ニューデリーのJNUケンドリヤ・ヴィタラヤの生徒など、さまざまな学校の学生たちが積極的にコンテンツ制作に参加し、協力と意見交換を促進する機会を得た。

この取り組みは、ウィキペディアの情報としての網羅性を高めるだけでなく、影響力あるプラットフォームに対して、学生が多様で包括的なコンテンツを提供し、編集スキルを身につける貴重な機会でもあった。学生たちは積極的にイベントに参加し、表現の重要性と自身の貢献がもたらす影響を理解した。

今回のエディタソンは、男女格差という差し迫った問題の取り組みだけでなく、公平なデジタル環境の構築に向けて協力するための精神を育んだ。イベントの成功は、参加者間のコミュニティ意識と共通の目的において明らかであり、デジタル・インクルージビティの未来を垣間見ることができた。また、このイベントはIIT-Dの女性教授陣の功績を称え、ウィキペディアにIIT-Dの女性教員のプロフィールを作成し、その功績を広め、構成に刺激を与える機会ともなった。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る