2024年09月
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予算増加と新たな取り組みで科学技術を促進 インド

インド科学技術省(MoST)は8月7日、ジテンドラ・シン(Jitendra Singh)大臣が、研究開発(R&D)を含む科学技術分野への予算配分を増やすための政府の取り組みを発表した。

(出典:PIB)

科学技術相(独立担当)や地球科学相(独立担当)などを担当する同大臣は、以下の主要な施策を通じてインドの科学技術をさらに促進する計画を紹介した。

  1. 予算配分の増加:科学技術(S&T)分野の持続的な成長を支えるため、科学部門への予算配分を継続的に増加
  2. 卓越センターの設立:学術機関や国立機関内に、新興および最先端のS&T分野での卓越センターと施設を設立
  3. 巨大施設への参画:大規模科学施設の開発と利用を積極的に実施
  4. 外部研究資金の提供:有望な科学者に対し、外部研究資金を通じて多額の助成金を提供し、影響力の大きい研究を促進
  5. 新たな重点分野への投資:クリーンエネルギー、エネルギー効率、クリーンコール技術、スマートグリッド、メタノール、海水淡水化、ゲノム工学、気候変動研究などの重要分野への投資を強化
  6. 国家ミッションの導入:国家量子ミッションや国家サイバー物理システムミッションなどの国家ミッションを導入
  7. イノベーションと起業家精神の促進:強力なスタートアップエコシステムを育成するために、イノベーションや起業家精神、スタートアップ助成金を推進
  8. 官民パートナーシップの奨励:専門知識とリソースを最大限に活用するため、官民パートナーシップを奨励
  9. アヌサンダン国家研究財団(ANRF):産業界との協力によるR&Dの予算増加を目指し、全国的な研究活動を強化

同大臣は、企業が2013年会社法第135条に基づいて資金を提供する義務を強調し、MoST管理下の自治機関(AIs)には、各統治評議会を通じてR&D活動を開始する自治権と、研究や機器調達のための財政権限が委任されたことを説明した。

MoSTは、インド国内の高等教育機関で科学的な考え方と研究志向を促進するプログラムも実施している。例えば、科学技術庁(DST)は毎年、学生にR&Dとイノベーションの追求を奨励している。また、バイオテクノロジー庁(DBT)は大学院プログラムを通じて、論文作成のための研究支援助成金を高等教育機関に提供している。さらにMoSTは、S&T分野で研究を進める学生に博士号および研究フェローシップを提供している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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