インド新・再生可能エネルギー省(MNRE)は9月5日、チャンディーガルのMGSIPAコンプレックスで、国内のバイオマスサプライチェーン(BSC)の効率的な管理に関連する全国セミナー「BSC管理に関する課題、機会、開発」が開催されたことを発表した。
(出典:PIB)
セミナーは、MNRE傘下のサルダール・スワラン・シン国立バイオエネルギー技術研究所(SSS-NIBE)の主催で行われ、政府関係者、業界の代表者、起業家、政策立案者、研究者が参加した。国内のBSCに関する課題を理解し、改善策や新たな機会を模索することを目的としており、参加者たちは、バイオマスの効率的な利用に向けた知識やベストプラクティスを共有し、今後の方向性を議論した。セミナーは、インドの循環型バイオ経済への移行を支援する場として、協力と知識交換を深める機会となった。
インド電力省が行う、火力発電所における農業残渣利用に関する持続可能な農業ミッション(SAMARTH)のミッションディレクターであるサティシュ・ウパディヤイ(Satish Upadhyay)氏は、BSCを需要側から考える必要性を強調し、市場主導のメカニズムを発展させるためにはバイオマスの需要創出が重要だと指摘した。また、バイオマスの利用は、環境や社会に多くの利益をもたらす可能性があると述べ、バイオマスと石炭の混合燃焼に関するSAMARTHの取り組みを紹介した。
パンジャブ州科学技術評議会(PSCST)常務取締役のプリトパル・シン(Pritpal Singh)氏は、バイオマスの保管場所の確保や供給、漏出管理に関する課題を指摘し、バイオマスの可能性を最大限に引き出すためには、現代的なバイオエネルギー技術の導入が必要であり、産業が経済的に成り立つようにする必要があると強調した。
SSS-NIBE事務総長のG・スリダール(G. Sridhar)博士は、バイオエネルギープログラムの成功にはBSC管理が不可欠であり、SSS-NIBEが推進するバイオエネルギー分野の研究とその重要性について説明した。
PSCSTのマガンビール・シン(Maganbir Singh)氏は、パンジャブ州での水稲の利用に関する課題について講演し、現在の利用状況や今後の可能性について解説した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部