2024年10月
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スキルアップと雇用機会に関する取り組みについて発表 インド

インド技能開発・起業促進省(MSDE)は9月11日、スキルアップと雇用機会に関するインドの取り組みについて発表した。

Source: India Skills Report、 Wheebox

インドは、国民の年齢の中央値が28歳と世界で最も若い国の一つである。産業界のニーズに対応する労働力を育成することで、人口ボーナスの恩恵を受けることができる。インドの人口の65%は35歳未満であるが、その多くは現代社会が必要とするスキルを身に付けているとは言えない。

政府は、経済成長とイノベーションを推進する上で人的資本が重要な役割を果たすことを認識し、全国的なスキルアップと雇用機会の拡大に取り組んできた。MSDEの2022~2023年度年次報告書においても、この分野における課題を認識し、国内におけるスキルアップと起業エコシステムの包括的な改善の必要性を強調している。

インドはスキルギャップという大きな課題に直面しているが、政府の取り組みにより、ギャップを埋めるための具体的な進展が認められる。例えば、2015年から始まった技能開発の礎となる取り組みであるプラダン・マントリ・カウシャル・ヴィカス・ヨジャナ(PMKVY)やインド全土の職業訓練に重要な役割を果たしている職人訓練計画(CTS)、全国職業訓練促進制度(NAPS)などのプログラムは、全体で数百万人の国民を訓練し、女性が少なかった分野への女性の参加を促し、女性の地位向上に貢献している。

PMKVYの進捗状況

また、スキル・インディア・デジタル・ハブの立ち上げやスキル・インディア・インターナショナルセンター(SIIC)の設立は、スキル強化のためにテクノロジーやグローバルなパートナーシップを活用するインドの取り組みを明確にしている。また、こうした取り組みは、業界全体における人材不足に対処するだけでなく、急速に進化するグローバル経済の需要にインドの若者が対応できるよう準備するものでもある。

(出典:いずれもPIB)

インドの若者一人ひとりが質の高いスキル開発の機会を享受するには、政府や産業界、教育機関が連携し、持続的な投資と協力を行うことが不可欠である。インドの人口ボーナスの潜在能力は、この取り組みによって最大限に引き出すことができる。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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