インドの電力省は9月22日、中央電力庁(CEA)が再生可能エネルギー目標の実現に向けた画期的な一歩として、マハラシュトラ州における2つの大型揚水発電プロジェクト(PSP)を承認したと発表した。
CEAが承認した大型プロジェクトは、JSWエネルギー(JSW Energy)社が開発する1500MW級のバーバリPSPと、タタ・パワー(Tata Power)社が開発する1000MW級のビープリPSPである。開発事業者は、揚水発電の試運転を早期に開始し、2028年までに完成させると表明している。これらのPSPは、合計15GWh以上の蓄電容量を備え、太陽光発電のない時間帯のピーク需要に対応する上で不可欠であり、電力網の安定化につながる。これによって、再生可能エネルギーの迅速な統合が可能となり、環境にやさしいエネルギーシステムの移行が促進される。
開発事業者の詳細事業計画(DPR)の準備状況にもよるが、CEAは本年度少なくとも毎月2つのPSPを承認することを目標としている。また、2024~2025年の間に、2万5500MWに相当する合計15のPSPの承認を目指しており、このうち5100MWに相当する4つのPSPは承認済である。
事務手続きの簡略化の下、CEAはDPR段階における各工程の透明性を高めるため、ジャルビ・ストア(Jalvi-store)と呼ばれるオンラインポータルを開発した。さらに、DPRの迅速な承認のため、ガイドラインの内容を見直し、いくつかの章を廃止した。DPRに関連したチェックリストもPSPのガイドラインに組み込み、各章に必要な情報の明確化を図った。
開発事業者主導によるこれらのプロジェクトの承認プロセスは、インドのエネルギー転換を推進する民間部門の役割が拡大していることを表している。これは国家目標の達成のために官民が協力するという協調的なエネルギーエコシステムへの転換を意味する。CEAは、これらのプロジェクトがインドの電力網の信頼性と持続可能性を高め、エネルギーの未来への道筋を示す上で重要な役割を果たすと確信している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部