2024年10月
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低コストで可視化できる牛乳供給チェーンの枠組み、豪大学と共同研究 インド

インド工科大学マドラス校(IIT-M)は9月23日、IIT-Mとオーストラリアのカーティン大学の研究者らが、ブロックチェーン、IoT(モノのインターネット)、クラウドの3つの技術を組み合わせ、オーストラリアの牛乳供給チェーン(AMSC)の可視性の向上とコストの削減に関する枠組みを研究したと発表した。研究成果は学術誌emerald insightに掲載された。

オーストラリアは、牛乳に関する事故がしばしば起こる。例えば、2020年には大腸菌の汚染によりニューサウスウェールズ州とオーストラリア首都特別地域で牛乳がリコールされた。また、世界の牛乳の問題として、不純物の混入、食品偽装、食中毒の発生などがあり、牛乳のサプライチェーンを可視化することが課題として挙げられる。

論文の筆頭著者であるIIT-M経営学部とカーティン大学経営学部に所属するヴァサントラージ エス(Vasanthraj S)氏、カーティン大学経営学部のヴィディヤー・サガル・ポトダル(Vidyasagar Potdar)博士、カーティン大学電気工学、コンピューティング、数理科学学部のヒマンシュ・アガワル(Himanshu Agrawal)博士、IIT-M経営学部のアルシンド・カル(Arshinder Kaur)教授らの研究チームは、ブロックチェーン、IoT、クラウドの3つの技術を組み合わせてAMSCの可視化の向上と、コスト削減を試みた。

ここでは、デザインサイエンス研究(DSR)の方法論を用いて、システムがどのように機能するかを示すため、小売業者側でも概念実証(PoC)のための検証を行った。DSRは、工学やコンピュータサイエンス分野における方法論であるが、体系化された方法で問題を解決し、革新的な成果物を作り出すことで組織の能力を引き出すことができるため、運用管理の研究でも用いられている。

研究チームは、これらの技術を導入することで、コスト削減とともに目に見える乳製品のサプライチェーンを実現できると結論づけた。また、機械学習、エッジコンピューティング、ビッグデータなどの技術を活用することで、可視性のさらなる向上とコストの最小化が実現できるとし、将来的には、この研究をインドなどの発展途上国にも適応していくことができると考えた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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