インドの宇宙開発計画は、月や火星へのミッションの成功に支えられ、高性能バイオ製造や宇宙工場などのアイデアを支援する大胆な政策によって推進されており、重要な局面を迎えている。科学誌nature indiaが11月5日に伝えた。
インドの研究者たちは、宇宙飛行士のカプセルの再突入速度を減速させ、容易で安全な着陸を実現する次世代の空力減速装置や、生物衛星(微小重力や宇宙放射線が生物に与える影響を研究するための衛星)の搭載物に関する開発に取り組んでいる。また、生命の起源や地球外生命体の可能性についても研究を進めている。こうしたアイデアは、実験的であったり、証明されていないものであったり、概念的な段階にあるものであったりするが、ブレークスルーの大きな可能性を秘めている。
宇宙開発の成功の歴史は、この視点を裏付ける。20世紀半ばに月面着陸や惑星探査機、地球観測衛星の台頭といった画期的な成果が生まれ、宇宙探索や商業ベンチャーの基礎を築いた。これらの概念は、Make-in-Spaceパラダイムの最前線であり、起業家らの注目を集めている。
インド宇宙研究機関(ISRO)は月や火星へのミッションを成功裏に終わらせ、現在有人ミッションの準備を進めている。また、宇宙起業を支援するインド国立宇宙推進認可センター(InSpace)のような機関は、産業界の関与を奨励している。インドは現在、基礎研究と初期段階のプロトタイプ開発に、技術的準備度合いの低いものから優先的に資金を投入する必要があり、学術界や産業界、宇宙機関が連携する宇宙開発の3者協力が、このプロセスを後押ししている。これらを達成するためには、大胆なアイデアを研究室のレベルから引き上げるための専用の資金調達機関を設立する必要があるという。
インドは、このような宇宙科学技術の基礎研究に重点的に取り組むことで、宇宙探査の未来を形作る主導的な地位を確固たるものにすることを目指している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部