インド科学技術省(MoST)は、BioE3(経済・環境・雇用のためのバイオテクノロジー)政策の狙いと目的について紹介した。
(出典:PIB)
バイオベースの高価値製品の開発と生産を加速させながら、効率性、持続可能性、品質を向上させるために、この政策では多様な分野にわたる国内での「高性能バイオマニュファクチャリングの育成」を可能にするメカニズムのガイドラインと原則を概説している。
インドのグリーン成長ビジョンや、持続可能性に向けた集団的アプローチを想定した「環境のためのライフスタイル(LiFE)」、国のネットゼロ炭素経済など首相からの呼びかけに沿ったものである。
過去10年間のインドバイオエコノミーの成長・成果は目覚ましく、GDPの4.25%にあたり、過去9年間で15倍以上となる1510億ドルに達している。また、バイオベンチャーの数も過去9年で170倍以上の8531社に増加した。バイオテクノロジー庁傘下のバイオテクノロジー産業研究支援評議会(DBT-BIRAC)は、国内における「バイオイネイブラーズ−バイオファウンドリー&バイオマニュファクチャリングハブズ」設立のための提案募集を共同で行った。
BioE3政策では、バイオAIハブ、バイオファウンドリー、バイオ製造ハブを含むバイオイネイブラーを全国に設置することにより、バイオベース製品の技術開発とその商業化を加速することを目的としている。
バイオAIハブは、バイオベース製品の技術開発のための研究とイノベーションを強化するために設置され、バイオ・ファウンダリーとバイオ製造ハブは、バイオベース製品の技術規模を拡大するためのインフラや施設の設置を目指している。バイオ・ファウンダリーとバイオ製造ハブの設立に関して、有意義な成功のための重要業績評価指標(KPI)が特定された。また、バイオイネイブラーズは、バイオマニュファクチャリング人材を育成するためのトレーニングやインターンシップを提供する予定だ。
全国協議会および省庁間協議に基づき、BioE3政策の下、(1) バイオベースの化学物質やバイオポリマーと酵素、(2) スマートタンパク質と機能性食品、(3) 精密バイオ治療薬、(4) 気候変動に強い農業、(5) 炭素回収とその利用、(6) 海洋と宇宙研究という6つの重点分野が設定され、現在各取り組みが進められている。
(2024年11月27日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部