2025年01月
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インドのAI導入率は世界をリードしている、英国BCGの調査

英国ボストン・コンサルティング・グループ(BCG:Boston Consulting Group)社の最近の調査によると、インドは人工知能(AI)の導入でリードしており、インド企業の30%がこのような新しいテクノロジーの利用を通じて自社の価値を最適化しているという。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが伝えた。

「AIの価値はどこにあるのか」と題されたこの報告書は、アジア、ヨーロッパ、北米の59カ国にまたがる20以上のセクターのチーフ・エクスペリエンス・オフィサー(CxO)および上級管理職1000人を対象とした調査に基づいている。報告書によると、世界の組織の26%がAIを使用しており、特にフィンテック、ソフトウェア、銀行業界は急速にAIを導入・活用しているという。

インド企業のCEOたちは、AIへの投資、専門知識の習得、試験運用を何年も続けており、現在ではテクノロジーによる具体的なリターンを求めているという状況だ。一方で、AIが持つ潜在能力をフルに発揮させることは依然として困難であるという。例えば、AIが概念実証を超えて具体的な価値を提供できている企業は26%に過ぎない。また、最先端のAI能力を部門横断的に用いている企業は世界全体でわずか4%に過ぎず、22%は別のAI戦略を導入しているという。さらに、74%の組織がAIの活用による有意義な価値をまだ実感できていないという。

BCG社のテクノロジー&デジタル・アドバンテージ・プラクティスのインド・リーダーであるサイバル・チャクラボルティ(Saibal Chakraborty)氏は、「インドではAIの迅速な導入が進み、世界的な競争力が再定義されつつあります。100%の企業がAIを積極的に実験しており、インドはAIの潜在能力を活用する準備が整っている点で際立っています。彼らは生産性を超えて新たなビジネスモデルを再構築、発明するなどし、実質的な価値を生み出しています。こういった取り組みがインドの世界的な立ち位置をより高いものにしていくでしょう」と語った。

(2024年11月26日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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