2025年01月
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太陽系外惑星の誕生の場を発見 インド

インドの天文学者らは、太陽系外惑星が形成される領域で、ガスと塵でできた原始惑星系円盤を検出した。研究結果は学術誌The Astrophysical Journalに掲載された。

発見した原始惑星系円盤は、地球から489光年離れた場所にあるGG Tau Aと呼ばれる三重星系の残骸である。インド東部のオリッサ州にある国立科学教育研究大学(NISER)の研究者らは、円盤を構成する塵の粒子の形成や凍結の過程は、太陽系外惑星の多重星系に存在する可能性のある生命の構成物質に関して新たな洞察を与えると考えている。

100万年~500万年と推定されるこの若い系は、塵とガスの渦巻く環に包まれており、これが太陽系外惑星の誕生の原動力となる。太陽系外惑星は連星系か多重星系で形成されるが、このプロセスの直接的な証拠を捉えることは困難である。

リトン・マジュムダール(Liton Majumdar)氏率いる研究チームは、チリのアタカマ砂漠にある電波望遠鏡で撮影したデータを分析し、惑星誕生の場であるGG Tau Aの冷たく密集した領域に特定の主要分子からの放射を検出した。また、パラシュモニ・カッシャップ(Parashmoni Kashyap)氏の研究チームは、一酸化炭素の凝固点よりもはるかに低い12Kと16Kの温度を検出した。こうした領域はミッドプレーンと呼ばれ、太陽系外惑星がその構成材料を集める場所である。

今回の発見は、誕生したばかりの太陽系外惑星の赤ちゃんが持つ物理的・化学的特性の特徴付けを可能にし、成熟した太陽系外惑星への進化の過程の理解に役立てられる。

科学誌nature indiaが2024年11月30日に伝えた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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