インド科学技術省(MoST)は2月2日、全インド医科大学(AIIMS)ジャンムに先進ゲノム・精密医療センターを開設したと発表した。
(出典:PIB)
この先進ゲノム・精密医療センターは、インドのオンコロジー企業である4ベースケア(4 base Care)社と共同で設立され、遺伝子プロファイルに基づく標的治療を提供することで、個別化医療の新時代を切り開くことが期待されている。
科学技術相(独立担当)や地球科学相(独立担当)、首相府閣外大臣(MoS PMO)として原子力省や宇宙省、MoS人事、公共苦情、年金を担当するジテンドラ・シン(Jitendra Singh)大臣は、遺伝子治療の変革の可能性を強調し、ゲノム研究の進歩により、医師はもはや画一的なアプローチに頼らず、個人の有効性と特異性を最大化するように治療を調整することになると述べた。
AIIMSジャンムは、新たに開設した先進ゲノム・精密医療センターにより、インドの医学研究におけるフロントランナーの仲間入りを果たした。このセンターは、ゲノムデータとAI主導の診断を統合することで、疾患の早期発見の強化や治療戦略の最適化を行い、処方箋の試行錯誤を減らすことを目指している。センター開設のイベントに参加した専門家は、この施設が精密オンコロジーや心血管ゲノミクス、希少疾患の遺伝子スクリーニングの進歩において重要な役割を果たすと指摘した。
シン大臣は、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相のリーダーシップの下、インドは医療分野におけるテクノロジー主導の進歩を推進していると指摘した。同大臣は、政府によるインド国内の研究とバイオテクノロジーの促進の取り組みを引用し、インドのバイオエコノミーが2014年のわずか100億ドルから現在の約1300億ドルへと指数関数的に成長し、近い将来には3000億ドルという野心的な目標が掲げられていることを強調した。
先進ゲノム・精密医療センターは、精密医療を手頃な価格で国民が利用できるようにすることである。個別化治療は従来、コストのかかる治療であったが、AIIMSジャンムは、国内の研究と政府が支援するバイオテクノロジーイニシアチブを活用して、コストを削減させ、精密医療を公的医療プログラムに統合することを目指している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部