インド工科大学マドラス校(IIT-M)は2月14日、IIT-Mの責任あるAIセンター(CeRAI)がスイスのロシュ・ダイアグノスティックス・インターナショナル(Roche Diagnostics International Ltd)社と了解覚書(MoU)を締結し、研究開発において協力していくことを発表した。
CeRAIは、IIT-Mにある学際的なバーチャル研究センターで、インドのエコシステムにおけるAIシステムの展開に影響を与える、責任あるAIの基礎および応用研究のための一流の研究センターとなり、倫理的で責任あるAIの領域で研究を進め、配備可能なAIモデル/システムをより説明可能で責任あるものにするためのガイドラインや提言する機関となることを目標としている。ロシュ社は世界中の診療所、検査室、医師の診療所、患者に診断ソリューションを提供するリーディングカンパニーで、疾患の迅速かつ信頼性の高い診断とモニタリングのための革新的な検査とシステムの研究開発に取り組んでいる。ロシュ社は、ゴールドコンソーシアムメンバーとしてCeRAIに参加することとなった。
CeRAIの責任者であるB・ラビンドラン(B Ravindran)教授は「AIシステムの責任ある開発と展開には、AI科学者と分野の専門家との緊密な相互作用が必要です。ロシュ社は倫理的なAIとデータ管理に関する活発な研究プログラムを実施しています。ヘルスケアにおけるAIのより強固で倫理的なシステムの構築において、彼らのプログラムと密接に協力することを楽しみにしています」と語る。ロシュ・インフォメーション・ソリューションズ(RIS)社のマヌ・デヴ(Manu Dev)氏は「ロシュは、データの力を信じています。データの力は、医療従事者や患者が十分な情報に基づいた意思決定を行うのに役立ちます。IITマドラスとの枠組み合意により、体外診断用デジタルヘルスソリューションにおけるアナリティクスとAIに関連する重要な研究活動で協力することが可能になります。知識と専門性を共有することで、すべての人にとってより良いヘルスケアシステムに近づくことができます」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部