2025年04月
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インドのAI戦略強化には人材・データ・研究開発の向上が必要 米シンクタンク

米国シンクタンク「カーネギー国際平和基金(Carnegie Endowment for International Peace)」のインドの政策シンクタンク、カーネギー・インディア(Carnegie India)は2月24日、インドが人工知能(AI)で世界のリーダーを目指すためには人材、データ、研究開発の3つの分野における大きなギャップを早急に埋める必要があると指摘する論文を公表した。

インドが2024年に打ち出した国家AI戦略「インドAIミッション」では、AI競争で成功するために必要な要素として、コンピューティング能力/AIインフラ、データ、人材、研究開発、資本、アルゴリズム、アプリケーションの7つを特定している。しかし、これまでの重点はAIインフラの構築に置かれ、人材、データ、研究開発には十分なリソースが投入されていない。

同論文は、これら3つの要素に関する制約や問題を詳細に分析し、インドがAI戦略を強化するためにそれぞれの要素をどのように向上させるべきかについて明確な提言を示している。

  1. 人材:全体的なAI人材不足、AI人材の国外流出、人材の質とスキルアップの必要性、人材構成(トップ層、中間層、下位層)の最適化が課題となっており、AI人材プールの規模と質を向上させ、人材の輸出を継続しつつ国内の人材プールを維持・増強する必要がある。
  2. データ:大規模なデータへのアクセスの欠如、インド独自のデータの不足、データのサイロ化・非構造化、データプラットフォーム構築における政府への過度の依存といった課題があり、その解決には、インドの強みであるデジタル公共インフラ(digital public infrastructure:DPI)の活用を含む長期的な戦略的アプローチが必要である。
  3. 研究開発:インドは、AI先進国に比べAI研究開発への投資が遅れており、官民協力や産学連携、多国籍企業がインドに設立した研究開発センター等の活用、明確な重点分野の特定を通じて研究開発を強化する必要がある。

同論文は最後に、インドがグローバルなAIエコシステムにおいて主導的地位を確立するためには、インドの既存の「AI for All」アプローチと同論文で示した「AIにおける競争力」アプローチとのバランスを取ることが不可欠になると結論付けている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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