2025年04月
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小胞体を標的とするイブプロフェン誘導体が大腸がん細胞を死滅 インド

インド工科大学ガンディナガール校(IIT-Gandhinagar)は、小胞体(ER)を標的とするイブプロフェン誘導体が、大腸がん細胞を死滅させることを発表した。科学誌nature indiaが3月3日に伝えた。研究成果は学術誌RSC Medicinal Chemistryに掲載された。

ERはタンパク質の合成とプロセシングに重要な役割を果たす細胞小器官であり、その機能が阻害されると、タンパク質が誤って折りたたまれる。この構造の予期せぬ変化により、タンパク質はその機能を損ない、最終的には細胞死を引き起こす。

IIT-Gandhinagarの研究者らは、がん細胞を死滅させることを目的に、改良型鎮痛剤であるイブプロフェン誘導体を開発した。イブプロフェン誘導体には蛍光を発するダンシル基が付加されており、ERに誘導され、蛍光を発する。

研究では、大腸がん細胞を改良型イブプロフェン誘導体に24時間暴露させたところ、3時間以内に小胞体内に蓄積し、ストレスを誘発、がん細胞を死滅させることが確認された。さらに、細胞内の老廃物の分解を阻害するバフィロマイシンAと併用すると、単独使用時の5%の投与量でがん細胞の50%を死滅させた。

この研究は、新たな抗がん治療の可能性を示すだけでなく、改良型イブプロフェン誘導体が小胞体機能に与える影響を分子レベルで研究するための貴重なツールとなる。研究チームは、他の鎮痛剤誘導体についても同様の作用を持つ可能性があると考えている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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