2025年05月
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量子耐性暗号プラットフォーム「QShield」を発表 インド

インド科学技術省は4月14日、インド科学技術庁(DST)により国家量子ミッション(NQM)に選定されたスタートアップ企業QNu Labs社が、量子耐性暗号管理プラットフォーム「QShield」を世界量子デーにあわせて発表したと明らかにした。

QNu Labs社が発表したQShieldは、クラウド、オンプレミス、ハイブリッドといった多様なIT環境に対応し、機密データを転送中および保存中に安全に保護することができる量子時代対応の暗号管理プラットフォームである。本システムには、同社が特許を取得した量子鍵配布(Armos)、量子乱数ジェネレーター(Tropos)、量子ハードウェアセキュリティモジュール(QHSM)、米国国立標準技術研究所(NIST)準拠の量子後暗号化(PQC)などが統合されている。

QShieldは、鍵生成のためのQosmos、セキュアな通信のためのQConnect、安全な共同作業を支えるQVerse、ファイルの保管と共有を担うQSFS、鍵管理機能のQVaultといった複数のサービスを通じて、企業の重要インフラ全体を量子耐性へと導く。統合的な管理機能、柔軟な導入形態、サードパーティとの連携のしやすさにより、企業が直面しているセキュリティ課題への対処と将来への備えを両立させる設計となっている。

QNu Labs社は2016年、インド工科大学マドラス校(IIT-M)のリサーチパークで設立され、量子暗号技術を核にしたサイバーセキュリティ革新を進めている。今回のQShieldの発表は、インドが量子技術分野における世界的なリーダーシップの確立を進めるものである。

(出典:PIB)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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