インドの電力省は5月20日、マノハル・ラル(Manohar Lal)住宅都市相兼電力相が5月19日にブラジルのブラジリアで開催されたBRICSエネルギー相会合にインド代表団を率いて出席し、エネルギー安全保障が現在の最重要課題の1つであると強調し、経済の安定性と持続可能性を確保するためにBRICS諸国間の連携強化の必要性を主張したことを発表した。
(出典:PIB)
同相は持続可能で包摂的なエネルギーの未来を築くというインドの揺るぎない決意を再確認し、「より包摂的で持続可能なガバナンスのためのグローバル・サウス協力の強化」というテーマのもとでのブラジルのリーダーシップを称賛した。また、世界の開発目標の推進において、エネルギーの安全保障、アクセス、そして手頃な価格が重要な役割を果たすことも強調した。
さらに、以下に示すインドが進めてきた再生可能エネルギーの実績を紹介した。インドではクリーンエネルギーの発電容量が過去10年で90%増の475GWとなり、2032年には900GWを目指している。さらに、インドは世界第3位の太陽光・風力発電国となり、バイオ燃料、グリーン水素、原子力(2047年までに100GW目標)、カーボンクレジット市場の国内立ち上げなどが進んでいる。また、バイオ燃料分野での協力を進める上での世界バイオ燃料同盟の役割を強調し、省エネ・持続可能な建築基準、屋上太陽光発電イニシアチブ、効果的な電化製品基準などの革新的なプログラムを通じたインドのエネルギー効率向上への取り組みについても紹介した。
また、同相は、化石燃料が依然として多くの途上国にとって重要であることを認めつつ、石炭ガス化やカーボンキャプチャーといった技術によるクリーンな利用を推進するための協力強化も訴えた。最後に、2026年にインドで予定されている次回のBRICSエネルギー会合にBRICS諸国の参加を呼びかけ、インドがグローバル・サウスのエネルギー課題を主導する決意を表明した。
BRICS諸国は本会合で、2030年までにエネルギー効率を倍増させるという目標を再確認し、知見の共有と協力を深めることを強調するとともに、世界的なエネルギー分野におけるBRICSの役割を強化し、共通の優先事項を推進していくことを約束した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部