インド科学技術省(MoST)は5月27日、ジテンドラ・シン(Jitendra Singh)科学技術相がすべての科学部門長官とのハイレベルレビュー会議を主催し、国産の次世代電動訓練航空機「E-Hansa」の開発開始、民間投資と連携を重視した官民パートナーシップ(PPP)型の技術移転戦略の推進、インド宇宙研究機関(ISRO)のSPADEXミッションの成功を評価、地域別のチンタン・シヴィル開催指示などを行ったことを発表した。
(出典:PIB)
E-Hansaはインドの科学産業研究機構(CSIR)国立航空宇宙研究所(NAL)が主導するもので、約2千万ルピーという低コストを実現し、輸入訓練機の半額程度で提供可能とされている。E-Hansaは、インドのグリーン航空目標と航空機の運行におけるグリーンまたはクリーンエネルギー燃料の使用に向けた重要な一歩となるものだ。
会議は、パフォーマンス評価、過去の決定事項の実施状況、インドの科学技術エコシステムの変革に向けた方向性の設定に焦点が当てられた。同相は、国産技術の商業化の必要性を強調しPPPの強化を訴え、国家研究開発公社(NRDC)に対し、技術移転と民間セクターの関与に関してバイオテクノロジー産業研究支援評議会(DBT-BIRAC)やインド国立宇宙推進認可センター(IN-SPACe)の成功モデルを参考にするよう指示した。
さらに、同相はISROが実施したSPADEXミッションの成功や、シンドゥール作戦におけるISROの貢献を称賛。有人宇宙飛行に向けた重要な進展として評価したほか、ISROが現在40の中央省庁・28州政府と連携して進行中の宇宙関連プロジェクトにも言及した。
また、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の先進国インド(Viksit Bharat)構想を踏まえ、全科学機関と全政府機関が連携するアプローチを強調し、地域別のチンタン・シヴィルの開催も指示した。
その他、会議ではインドのバイオ製造能力を強化する取り組み、CSIRの研究室を学生に開放する取り組み、二国間科学協力センターの設立などが議論された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部