2025年08月
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金属表面の腐食進行度を機械学習で自動判定 インド理科大学院

インド理科大学院(IISc)は7月23日、カタール科学技術研究センター(QSRTC)と共同で、金属表面の腐食進行度を光学顕微鏡画像から自動評価する機械学習アルゴリズムを開発したと発表した。研究成果は学術誌npj Materials Degradationに掲載された。

本研究では、腐食の主要指標である堆積物の厚さと多孔度(小孔の数)を、光学顕微鏡画像から自動的に抽出し、腐食の進行段階を判定する。これにより、腐食性化学物質の濃度や堆積物下の酸性度といった重要な腐食環境の特徴を推定できる。

腐食が深刻化する局所pHとして2.8~3が明確に示され、表面構造と化学反応の密接な関係が明らかとなった。実用例としては、蒸気発生器の伝熱管に生じる堆積物下腐食(UDC)への応用が示され、約73%の精度で腐食の段階を分類できることが実証された。

開発手法は、事前のラベルや注釈を必要としない教師なし学習を採用している。具体的には、画像を外観の仮定なしに領域分割するk平均法クラスタリングを用いることで、複雑な腐食生成物の構造にも柔軟に対応可能である。

ただし、腐食形態は機構により異なるため、アルゴリズムの適用には個別調整が必要とされる。今後は、より大規模で多様なデータセットを用いて、実用現場の多様な条件に対応できるか検証を進める。

研究を主導したIISc計算科学データ科学科(CDS)のファネンドラ・K・ヤラヴァルシー(Phaneendra K. Yalavarthy)教授は「医療画像解析で培った技術を腐食科学にも応用し、より厳密な定量評価を実現したいと考えました」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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