インド電子・情報技術省は7月30日、半導体設計連動インセンティブ(DLI)スキームのもとで、国内企業やスタートアップ、中小企業による23件のチップ設計プロジェクトを財政支援対象として承認したと発表した。
DLIスキームは、総額100億ルピー規模で2021年12月に開始され、半導体製品の設計から商業化に至る高い参入障壁や長期開発期間への対応を目的としている。具体的には、電子設計自動化(EDA)ツールや知的財産(IP)コアの提供、試作・量産にかかる費用の最大50%(上限1億5千万ルピー)の助成、さらに商業化後5年間にわたる純売上高の4~6%(上限3億ルピー)のインセンティブを用意している。
これまでに278の学術機関と72のスタートアップがEDAツールの利用承認を受けている。さらに、23のスタートアップと企業による監視カメラ、エネルギーメーター、マイクロプロセッサIP、ネットワーク機器向けなど多様なチップ設計が助成を受けて進められている。そのうち10社は商業化に向けたプロトタイプ拡大のためベンチャー資金を調達し、6社が半導体ファウンドリでテープアウトを完了。さらに17の学術機関による20件のチップ設計がインドのモハリにある半導体研究所(SCL)で製造に成功している。
DLIスキーム関連では、EDAツール費用を含め総額80億3080万ルピーのプロジェクト支出が承認され、各案件は設計・開発・展開のマイルストーン達成に応じて資金が支給される。制度運営は受益企業や関係者との協議を重ねながら行われ、必要に応じて要件や手続きを柔軟に見直す方針だ。
今回の発表は、総額7600億ルピー規模の「セミコン・インディア・プログラム」の一環であり、インド国内における半導体・ディスプレイ製造エコシステムの確立に向けた重要なステップと位置付けられている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部