インド工科大学マドラス校(IIT-M)は9月1日、IIT-Mとデンマーク工科大学の研究者らが、遺伝的変異間の相互作用が、スイッチのように機能し、隠れた細胞経路を活性化する仕組みを明らかにしたと発表した。研究成果は学術誌Nature Communicationsに掲載された。
研究チームは、遺伝子間の相互作用が時間の経過とともに代謝を再配線するメカニズムを明らかにし、がんや糖尿病、神経変性疾患などの複雑な疾患の遺伝的基盤に関する重要な知見を提供した。これは、バイオマーカーや潜在的な薬剤標的の同定など、個別化医療の新たな可能性を開く。
この研究は、酵母の特定の遺伝子変異が連携して、休眠していた代謝経路を活性化することを示した。これは、複数の遺伝子が相互作用し、人間を含む高等生物の健康と疾患をどのように形作るかを解読するためのフレームワークを提供する。
本研究の主な知見は以下の通り。
IIT-Mバイオテクノロジー学部のヒマンシュ・シンハ(Himanshu Sinha)教授は、「この発見の意義は酵母の枠をはるかに超えています。がんや糖尿病、神経変性疾患を含む多くの複雑なヒト疾患は、単一変異ではなく複数の遺伝子の相互作用から生じています。この研究は、こうした相互作用を体系的に研究するためのメカニズム的な枠組みを提供します」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部