インド工科大学マドラス校(IIT-M)は9月16日、インダスタワーズ(Indus Towers Limited)社と提携し、ガラス繊維強化ポリマー(GFRP)構造材の先駆的な研究を開始したと発表した。
インダスタワーズの企業の社会的責任(CSR)プログラム「Pragati」の一環である本取り組みは、鉄骨構造に代わる軽量で耐腐食性の高い高性能材料の開発を目的とし、IIT-Mにおける最先端研究を支援することを約束した。この共同研究はGFRPの構造的・経済的・環境的利点を探る、初の産学連携研究の試みとなる。
インダスタワーズのアニル・グプタ(Anil Gupta)最高技術責任者は「IIT-Mとの提携は、GFRPに取り組むさまざまな産業の材料科学環境を再定義するための大胆な一歩です。GFRPは、構造的に健全で費用対効果が高いだけでなく、当社の持続可能性目標にも合致した変革の機会を提供します」と述べた。GFRPは強度対重量比や耐腐食性に優れ、低メンテナンス性や再利用可能性から、将来のインフラ資材として世界的に注目されている。
IIT-MはGFRPの機械特性、耐久性、ライフサイクル持続性を調査し、設計・安全基準の確立を目指す。ラビンドラ・ゲットゥ(Ravindra Gettu)教授は「通信塔や足場、階段、屋根材など幅広い用途での持続可能なモデル構築につながります」と説明した。また、アシュウィン・マハリンガム(Ashwin Mahalingam)学部長は「この連携は研究を社会的・経済的に影響力のある解決策へと発展させるものです」と述べ、産学協力がイノベーションの社会実装に果たす役割を強調した。
今回の提携は、インダスタワーズが掲げる「デジタルに接続された持続可能なインド」の実現に向けた取り組みの一環として実現した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部