インド工科大学マドラス校(IIT-M)は9月18日、IIT-M海洋工学科が9月14日から18日まで第7回国際海洋工学会議(ICOE 2025)を開催したことを発表した。
ICOE 2025には世界各国から研究者、産業界の専門家、防衛機関、政策立案者らが集まり、海洋工学、オフショア技術、海洋再生可能エネルギー、石油工学、ブルーエコノミーに関する知見を交換した。会議では基調講演、100件を超える査読付き論文発表、パネルディスカッション、産業展示、若手研究者向け特別セッションが行われた。
主な成果として、インドのブルーエコノミーロードマップ形成に資する政策・産業提言、再生可能エネルギーや海中システム、耐久性の高い洋上構造物に関する技術実証、国際連携とスタートアップとの協力強化が挙げられた。これにより、インドの海洋技術分野における国際的な認知度向上が期待される。
インド国立海洋技術研究所(NIOT)のR・バラジ(R. Balaji)所長は「ICOE 2025はインドの海洋技術の進歩を示す機会となります。持続可能な海洋利用やオフショア技術のイノベーションを推進するには学界、研究機関、産業界の連携が鍵となるでしょう」と述べた。防衛研究開発機構(DRDO)のモヌ・コルラ(Monu Korulla)長官は「海洋は国家安全保障と技術的自立に不可欠であり、ICOE 2025はインドの戦略的に重要な技術分野での防衛、学界、産業界の協働を促す場です」と強調した。
会議の主要テーマは、洋上構造物、海洋流体力学、沿岸プロセス、海洋エネルギー、海中技術、洋上風力発電、海洋ロボット工学、AI応用などであった。産学連携セッションや博士課程・若手研究者向け表彰も設けられ、技術移転や国際的な交流が促進された。
組織委員長でIIT-M海洋工学部長のアブドゥス・サマド(Abdus Samad)教授は「ICOE 2025は研究と現実課題を結び付け、ブルーエコノミーや再生可能エネルギー、海洋資源の持続可能な利用のイノベーションを推進する場を目指しています」と語った。また米国ミシガン大学のレイ・ズオ(Lei Zuo)教授は「ICOE 2025は、再生可能エネルギー、オフショアインフラ、気候対応ソリューション、人材育成の進歩を加速させる国際協力のための重要なプラットフォームとなります」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部