2025年12月
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安全で包摂的かつ責任あるAI活用を促すガイドラインを公表 インド

インドの電子・情報技術省(MeitY)は11月5日、インドAIミッションの一環として、安全で包摂的かつ責任あるAI活用を促す包括的枠組みインドAIガバナンスガイドラインを発表した。

(出典:PIB)

ガイドラインは、インドが2026年2月に開催する「India AI Impact Summit 2026」を前に、責任あるAIガバナンス体制を強化する重要な節目となる。枠組みは、倫理的で責任あるAIのための7つの指針(スートラ)、AIガバナンスの6本の柱にわたる主要提言、短期・中期・長期に整理した行動計画、産業界・開発者・規制当局向けの実務ガイドラインから構成される。

インド政府首席科学顧問のアジェイ・クマール・スード(Ajay Kumar Sood)教授は、枠組みを貫く基本原則として「害を与えない(Do No Harm)」を掲げ、柔軟で適応的なエコシステムの中で、イノベーション用サンドボックスとリスク軽減策を両立させることの重要性を強調した。MeitY事務次官のS・クリシュナン(S. Krishnan)氏は、「可能な限り既存の法律を活用しつつ、人間中心性を軸にAIが人々の生活に利益をもたらす一方で、潜在的な危害にも対処する」方針を説明した。

ガイドラインは、インド工科大学マドラス校(IIT-M)のバララマン・ラヴィンドラン(Balaraman Ravindran)教授が委員長を務める高レベル委員会によって作成された。委員会にはMeitYのアビシェク・シン(Abhishek Singh)事務次官補ら官民の専門家が参加し、草案の作成後に公開パブリックコメントを実施した。寄せられた意見を踏まえ第二委員会が内容を精査し、最終版を取りまとめている。報告書はIndiaAIのウェブサイトから閲覧でき、国内外の政策立案者や研究者、産業界が安全で包摂的なAI導入を進める際の基礎資料と位置づけられている。

また、インドAIミッションのアプリケーション開発部門の一環として、インド地質調査所(GSI)と連携して実施した「鉱物ターゲティングのためのインドAIハッカソン」の結果も公表された。地質・地球物理・地球化学・リモートセンシングデータを解析し、重要鉱物の予測を高度化することが目的で、最優秀賞(100万ルピー)には重要・戦略鉱物マッピングを行う「CricSM AI」が選ばれた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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