インド新・再生可能エネルギー省(MNRE)は11月12日、2030年までに世界のグリーン水素需要の10%を占めるとの見通しを示し、国家グリーン水素ミッション(NGHM)の進展状況を発表した。

発表によると、新・再生可能エネルギー省および電力省のシュリパッド・Y・ナイク(Shripad Y. Naik)国務大臣は、第3回グリーン水素国際会議(ICGH 2025)で、同国がCOP26で掲げた500GWの非化石燃料発電容量目標に向けて前進し、太陽光と風力を中心に約260GWへ拡大した状況を説明したとしている。再生可能エネルギー基盤がグリーン水素導入を支えるとの認識が講演で示されたとされる。また、同氏はインドのグリーン水素市場が今後10年間で年率20~40%で成長すると見込まれ、グリーンアンモニアやメタノールの生産・輸出が進む可能性に言及したとしている。
講演では政策枠組み、標準化、国際協力を通じて水素分野の主導的立場を強める姿勢が示され、産業界に対して電解装置製造やプロジェクト実施の加速を促したとされる。さらに、州政府には水素ハブや産業クラスター整備を求めた点が説明されている。
NGHMの進展としては、1700億ルピー規模のインセンティブ制度が運用され、年間3000MWの国内電解装置製造プロジェクトや年間86.2万tのグリーン水素生産プロジェクトが進んでいるとした。インド太陽エネルギー公社(SECI)は、肥料工場向け72.4万tのグリーンアンモニア供給で競争力ある価格を提示したとされ、インド石油公社(IOCL)、バーラト石油公社(BPCL)、ヒンドゥスタン石油公社(HPCL)向けの年間2万トンの供給プロジェクトも承認されている。

(出典:いずれもPIB)
会議でジテンドラ・シン(Jitendra Singh) 科学技術相は、研究者や産業界を招いた本会議がインドの水素分野における機会と課題を議論する場となったと述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部