インド理科大学院(IISc)は、英国マンチェスター大学に拠点を持つヘンリー・ロイス研究所(Royce)と、3Dバイオプリンティングやバイオファブリケーション、材料科学に関する戦略的提携に合意し、英国・インド技術安全保障イニシアチブ(TSI)の下でヘルスケア、精密医療、持続可能なバイオ製造のイノベーション加速を目指すことを発表した。
この提携は、バイオプリンティング、生体材料、工学生物学、先進製造における世界をリードする専門知識を結集し、次世代ヘルスケアソリューションを支える新たな生体材料や器官型モデル、医療用インプラント、トランスレーショナルテクノロジーの開発を共同で進めるものだ。特に、バイオプリンティング技術の臨床導入と商業化を中核に据えている。
協定の下で、両機関は共同研究を推進し、イノベーションや産業界・医療界との連携、技術移転の機会を共同で探索する。2025年中に、連携や知識交換、戦略立案の基盤となるバーチャル空間の英印バイオプリンティングハブを設立し、優先課題と長期的な研究アジェンダを策定する計画だ。2025~2026年には、両国の共同資金メカニズムの支援により、共同研究開発プロジェクトや研修プログラム、人材育成イニシアチブを開始予定だ。2026年には共同バイオプリンティング施設の設置も検討する。
パートナーシップの重要な取り組みとして、2025年11月26~28日にIIScベンガルール校でBioSculpt 2025サミットが開催される。これはTSIの一環として企画され、バイオプリンティング、生体材料、マイクロ流体工学、組織工学などの分野の研究者、産業界、政策担当者が集う。ロイス研究所の代表者は、バイオプリンティング用材料設計、in vitroモデル開発、臨床・産業への展開ルートに焦点を当てた技術セッションを共同で主導する。
英国のヴァランス(Vallance)科学担当相は、バイオプリンティングは医学研究を容易にするだけでなく、動物実験の代替技術として重要な役割を果たし得ると指摘した。IIScのG・ランガラジャン(G. Rangarajan)学長、英国のパートナーと協力し、喫緊の臨床課題に対する最先端のソリューションを開発できることを楽しみにしていると指摘した。
(2025年11月26日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部