2026年02月
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ワイヤレス充電で送信側の測定のみで負荷電力を推定 インド工科大学マドラス

インド工科大学マドラス校(IIT-M)は1月6日、研究者らが誘導充電方式のワイヤレス充電システムにおいて、受信側にアクセスすることなく、送信側の測定のみで負荷電力を推定する新たな測定手法を開発し、理論、シミュレーション、実験により検証したと発表した。

ワイヤレス充電は、有線方式と比べて安全性や利便性が高いことから、低電力用途から高電力用途まで幅広く利用されている。こうしたシステムでは、充電対象となる機器が消費する電力である負荷電力を正確に把握するための計測が重要となる。

誘導充電システムは、電源に接続された送信機と、充電される受信機の2つの主要要素から構成される。送信機側の一次コイルは交流(AC)電力を交流磁場に変換し、受信機側の二次コイルで電流を受け取り、直流(DC)に変換してバッテリーを充電する仕組みである。

従来、受信側の負荷電力を測定する方法の多くは、受信機への直接アクセスや通信を必要としてきた。一方、送信側の測定値のみを用いる方法では、相互インダクタンスMと負荷が未知であることに加え、受信コイルの抵抗損失が推定値に含まれてしまう点が課題とされていた。

本研究では、送信コイルの上に新たな検知コイルを配置する測定方式を提案した。この方式により、相互インダクタンスMを事前に求めることなく負荷電力を推定でき、受信コイルおよび補償回路における抵抗損失を負荷電力から分離できるとしている。提案手法は理論的検討に加え、シミュレーションおよび試験装置を用いた実験によって妥当性が検証された。

オーストラリアのマッコーリー大学工学部のスバス・ムコパディヤイ(Subhas Mukhopadhyay)博士は、「受信機側の損失を実際の負荷電力から分離し、実験誤差を±3.5%に抑えるという本成果は画期的です」と評価している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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