インド商工省は2月12日、同国のテクノロジー産業に対し、2035年までに1兆ドル規模の市場機会を目指すよう野心を再設定し、人工知能(AI)やデータセンター、クリーンエネルギーを軸に競争力を強化する方針を発表した。
同日、インドのニューデリーでNITIフロンティア・テック・ハブのロードマップ報告書「Reimagination Ahead(未来への再創造)」が発表された。インドは2030年までに少なくとも10GWのデータセンター容量を確保し、AI主導型技術サービスの世界的拠点となることを目標に掲げた。インド国内には約10億人のインターネット利用者がおり、1人当たりのデータ消費量は世界有数であることとAIの急速な導入がインドの成長を支える強固な基盤となっていることが強調された。手頃な価格のデータ通信、5Gの展開や将来の6G導入などの現状は、インドのデジタルエコシステムを強化し、2500~3000億ドル規模の技術サービス産業の拡大が可能となっている。
電力インフラの強化も基盤となっている。統一国家電力網の設備容量は500GWに達し、そのうち250GWはクリーンエネルギーである。再生可能エネルギー分野では逆入札制度により、太陽光発電は1単位当たり2.31~2.41ルピー、風力は約2.5ルピーまで低減した。現在は1kWh当たり6ルピー未満で24時間クリーン電力を供給しており、2030年までに再生可能エネルギー容量500GWを目指す。
また、特定投資に対する2047年までの所得税優遇措置、特にデータセンター関連のエコシステム拡大において、外国直接投資、外貨流入、雇用創出が促進されると想定されている。また、クリーンエネルギーの統合、原子力発電拡大や揚水発電、蓄電池、グリーン水素、グリーンアンモニアの推進も競争力強化に寄与するとした。
ピユシュ・ゴヤル(Piyush Goyal)商工相は「AIは人間の能力を拡張しますが、サイバーセキュリティやデータの完全性、人による検証が不可欠です」と述べ、経営者や政策担当者、そして意思決定者へのAI教育の普及を呼びかけた。政府はこれらのことを効率化するために関係省庁や業界団体と連携し、定期的な対話の実施を提案している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部