2026年04月
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アエロモナス属細菌で抗菌薬耐性遺伝子を多数確認 インド

アエロモナス属(Aeromonas)細菌が、カルバペネムやコリスチンを含む複数の抗菌薬に対する耐性遺伝子を広く持つことが、大規模なゲノム研究で明らかになった。科学誌nature indiaが3月16日に伝えた。研究成果は学術誌Nature Communicationsに掲載された。

アエロモナス属細菌は、南アジアの河川や池、下水系などに広く存在する水系細菌で、ヒトや動物に下痢性疾患を引き起こす。症状が似ているため、感染がコレラと取り違えられることもあるという。

研究チームは、英国のウェルカム・サンガー研究所、バングラデシュの国際下痢性疾患研究センター、インドの大学院医学教育研究所の研究者らで、1853件のゲノムを解析した。このうち996件は、インドとバングラデシュから新たに配列決定されたものだった。

その結果、162個の抗菌薬耐性遺伝子が見つかり、最終手段とされる抗菌薬に対する耐性に関わる遺伝子も含まれていた。また、環境由来の菌株とヒト感染由来の菌株の間に大きな違いがみられず、環境中の菌株がヒトに移行し得る可能性が示された。マスやナマズなどの養殖魚に関わる水域が、その伝播に関与する可能性もあるとしている。

さらにインド北部では、コレラ菌(Vibrio cholerae)の検出用培地で培養された細菌分離株の約67%が、実際にはアエロモナス属細菌だった。研究は、こうした誤同定がコレラ流行地域の監視をゆがめる可能性を示した。また、アエロモナス属細菌が環境中の重要な抗菌薬耐性リザーバーであり、ヒト集団へ波及しうる新興の多宿主病原体であることを示している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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