インドの電力省は3月30日、同省のシュリパッド・Y・ナイク(Shripad Y. Naik)国務大臣がラージヤ・サバ(国会上院)の質問に対し、再生可能エネルギー導入拡大が電力系統に及ぼす影響とその対応策について書面で回答したと発表した。
再生可能エネルギーは太陽光や風力に代表されるように出力の変動性や間欠性が高く、電力系統の運用に新たな課題をもたらす。このため政府は、送電網の強化、発電予測の高度化、系統運用の見直し、エネルギー貯蔵の導入を組み合わせ、系統の即応性、柔軟性および信頼性の確保に注力している。
具体策として、発電予測とリアルタイム運用を担う地域エネルギー管理センター(REMC)の設置、自動発電制御(AGC)や補助サービスの導入が進んでいる。さらに、電圧を安定させる設備(STATCOMや同期調相機)が送電計画に組み込まれ、段階的に導入が進むほか、新配電セクタースキーム(RDSS)の下で、電力系統の監視制御システム(SCADA)の整備も承認されている。
また、国立中期天気予報センター(NCMRWF)とインド宇宙研究機関(ISRO)が連携し、発電や需要の予測精度向上を支えている。中央電力庁(CEA)の技術基準に基づき再生可能エネルギー発電所の接続要件が定められ、接続前に中央送電事業体(CTUIL)およびグリッドコントローラーオブインド(Grid-India)/地域給電指令所(RLDC)が適合性を確認する。さらに、電力系統の運用ルールにより、再生可能エネルギー発電所も周波数調整への参加が義務付けられている。
電圧変動への対応では無効電力の供給が重要とされ、その要件も技術基準で規定されている。また、再生可能エネルギーの変動に対応するため、火力発電の柔軟な運用も求められている。バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の導入や揚水発電プロジェクト(PSP)の整備も進み、再生可能エネルギーの変動を補完している。
送電インフラ整備も進展しており、2030年までに500GW、2035~36年までに900GW超の非化石電源統合を見据えた計画が策定されている。州間送電網では約260GW分の整備が進み、54GWが稼働、173GWが建設中、33GWが入札段階にある。さらに、グリーン・エネルギー・コリドー(GEC)事業や蓄電支援策により、再生可能エネルギーと蓄電の統合が後押しされている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部