インド科学技術省(MoST)は4月22日、インド科学技術庁(DST)傘下のラマン研究所(RRI)の研究者らが、水が粘土を置換する際にジグザグ(zig-zag)とスキューリング(skewering)という2種類の新たな分岐の様式を発見したと発表した。研究成果は学術誌New Journal of Physicsに掲載された。
水のような低粘度流体が閉じ込められた空間で粘土懸濁液を押し出すと、界面に流体流動不安定性が生じ、規則的な流れから逸脱した模様が形成される。粘土懸濁液は歯磨き粉やマヨネーズと同様の非ニュートン流体であり、静止時にも表面に突起を保つことができる。
研究チームは、粘土をオーブンで焼成して水分を除去した後、水と混合して懸濁液を作製した。さらにジメチルホルムアミド(DMF)、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)を水に加え、それぞれに粘土を混合して別個の懸濁液を作った。用いた粘土は厚さ1nm、直径30nmのコイン状ナノ粒子から成り、TSPPは粘土の老化や亀裂形成を遅らせる一方、NaClとKClは破断を速める。
実験は、大型自転車の車輪ほどの大きさの2枚のガラス板の狭い隙間に中央の穴から粘土と水を注入するヘレ・ショーのセルで行われた。純水中の粘土では、分岐の先端が2つに分かれる先端分裂によってネットワークが成長した。DMFやTSPPを用いて弾性が低い粘土では、流体が通過する流路が不均一に分布し、スキューリングやジグザグといった新たなパターンが生じた。NaClやKClを用いた場合、粘土は高弾性の脆いシート状となり、水の進行先端に応力が集中して亀裂が生じた。

(出典:PIB)
RRI上席教授で共著者のランジニ・バンディオパディヤイ(Ranjini Bandyopadhyay)氏は、これらの分岐の仕方は予想外で、これまでの研究で報告されていなかったと述べた。筆頭著者でRRI博士課程学生のヴァイブハブ・ラジ・シン・パルマー(Vaibhav Raj Singh Parmar)氏は「不安定性を制御するには、不安定性を理解する必要があります」と語り、石油回収では進行する分岐が効率を低下させると指摘した。
本研究は、添加剤により粘土の弾性を制御して流動パターンを調整できることを示し、石油回収プロセスの理解向上や粘土輸送の制御に応用できる可能性がある。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部