インド理科大学院(IISc)は5月22日、研究者や起業家による量子・ディープテック研究の実用化、スタートアップ育成、産業連携を促すワドワニ・IIScイノベーションセンターを開設し、Quantum Pitch Fest 2026を開催したと発表した。
同センターは、ワドワニ・イノベーション・ネットワーク(WIN)の一環で、ワドワニ財団がアヌサンダン国立研究財団(ANRF)、主要学術機関、政府パートナーと連携して昨年発表した140億ルピー超の共同投資に基づく全国的取り組みである。
インド宇宙研究機関(ISRO)上級委員会委員長を務めるA・S・キラン・クマール(AS Kiran Kumar)氏により同センターは開所され、式典には、ワドワニ財団のアジャイ・ケラ(Ajay Kela)CEO兼理事、WIN Indiaのシルシェンドゥ・ムカルジー(Shirshendu Mukherjee)マネージングディレクターも出席した。
IISc傘下の科学技術革新・開発財団(FSID)ディレクターであるB・グルムールティ(B Gurumoorthy)氏は、量子技術を科学とイノベーションの変革的な最前線の一つと位置付け、研究者や起業家が先端的な量子研究を拡張可能な技術や国際競争力のある事業へ転換できるよう支援すると述べた。
Quantum Pitch Fest 2026では、研究者、スタートアップ、イノベーターが量子コンピューティング、通信、センシングのアイデアを発表した。専門家と投資家が評価し、選抜チームにはIIScの起業家支援プログラムを通じてメンタリングとインキュベーションの機会が与えられた。
同イベントでは、初期段階のアイデアを育成し、企業化を促す量子スタートアップ加速基盤InQubateも始動した。InQubateは、量子研究パーク(QuRP)、同センター、量子コンピューティング・イノベーション財団(FQCI)、インド・ナノエレクトロニクス・ユーザーズ・プログラム(INUP)で構成されるIIScの4要素のエコシステムに支えられ、研究室から市場までを切れ目なく繋ぐ。
ケラ氏は、次の課題は研究成果を製品、スタートアップ、社会的インパクトへ転換する速度を高めることだと強調した。クマール氏も、技術そのものだけでなく、その技術的能力を社会と国の発展にどう使うかが重要だと述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部