2026年06月
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AI設計酵素でイネDNAの精密ゲノム編集が可能に インド

インド農業研究評議会(ICAR)傘下の国立稲研究所などの研究者らが、人工知能(AI)で設計した、植物のDNAを効率的に編集できるゲノム編集酵素を開発した。科学誌nature indiaが5月29日に伝えた。研究成果は学術誌New Phytologistに掲載された。

研究チームは、イネをモデル生物として、このAI設計酵素を植物用OpenCRISPR-1(plant-OpenCRISPR-1:POC1)として構築した。国立稲研究所のクトゥブディン・モラ(Kutubuddin Molla)氏によると、POC1は農業向けにカスタマイズ可能なゲノム編集システムの構築に新たな道を開き、既存のCRISPR技術に伴う知的財産上の制約の一部を解決する助けにもなり得る。

研究チームは、このPOC1を基盤に、標的遺伝子ノックアウト、アデニンとシトシンの塩基編集、プライム編集のためのプラットフォームを確立し、化膿連鎖球菌由来のCas9を用いる従来のSpCas9システムと性能を体系的に比較した。POC1由来のアデニン塩基編集ツール(POC1-ABE8e)とシトシン塩基編集ツール(POC1-CBE)は、DNAの塩基を別の塩基に置き換えるヌクレオチド置換を強力に引き起こし、POC1-CBEは複数の標的でCas9-CBEより有意に高い編集効率を示した。さらに、二本鎖切断を伴わず精密な置換を導入できるPOC1ベースのプライム編集ツールも開発した。

狙った遺伝子領域に欠失変異を持つ安定したイネ形質転換体により、再生植物でPOC1が機能することも確認された。同氏は「現在のゲノム編集プラットフォームの多くはCas9のような天然の微生物タンパク質に依存していますが、計算機で設計した酵素も作物で強力な遺伝子ノックアウト、塩基編集、プライム編集を支えることができます」と話す。OpenCRISPR-1はオープンソースで学術・商業開発に自由に利用でき、POC1は権利保護されたSpCas9技術に代わる、利用しやすく開かれた選択肢になるという。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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