2026年06月
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XR分野で関連雇用200万人を創出へ政策提言 インド工科大学マドラス校

インド工科大学マドラス校(IIT-M)は6月1日、同大学の体験型技術イノベーションセンター(XTIC)の研究者らが、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)などを含むエクステンデッドリアリティ(XR)分野で、2030年までに関連雇用200万人の創出を目指す政策提言をまとめた報告書を発表したことを明らかにした。

報告書は「インドのXRスタートアップおよびイノベーション・エコシステムの強化:タミル・ナードゥ州(TN)AVGC-XR政策2026の事例研究」と題し、同州の政策を分析した。インドでは現在、XR分野で1000社を超えるスタートアップと1000社を超える中小企業が活動する。報告書は、同州がインドのXR市場の20%を獲得し、サービス志向の雇用20万人を創出する目標を評価する一方、「サービス提供者」モデルだけに依存すれば、長期的な価値創出と国際競争力が制約されると警告した。

主要提言では、XRハードウエア製造を戦略分野と位置付け、同州の電子機器製造回廊を活用して、ヘッドマウントディスプレー、トラッカー、触覚インターフェースの国内能力構築を求めた。さらに、2030年までに見込まれるXR雇用200万人について、少なくとも半数を独自の知的財産(IP)創出、ゲームエンジン開発、AI駆動型没入技術、高度な研究開発などの高付加価値分野に振り向けるよう提案した。

報告書は、XRイノベーションセンター、技能開発センター、製造拠点を結ぶ「XRコリドー」または「XRスーパーハイウェー」の構築も提言した。AI生成XR資産、生成AIによる没入環境、メタバース・ガバナンス、子どもの安全基準の専用枠組み不足を政策上の「盲点」と指摘。さらに、農村部の医療アクセス改善、オンライン講座での没入型教育、遠隔診断による医療ミス削減、職業技能習得時間の短縮など、一般市民に関わる応用例も示した。

XTICの教員責任者で、IIT-M応用力学・生物医学工学科のM・マニヴァンナン(M. Manivannan)教授は、現在のAIの潮流の自然な延長としてXRの波が迫っていると指摘し、「計算負荷の高いAIおよびXRアプリケーションに取り組むスタートアップ、研究者、学術機関に、高性能グラフィックス処理装置(GPU)への補助付き利用を可能にする州レベルの計算インフラ「TN-XRクラウド」の創設を提案しています」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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