インド科学技術省(MoST)は6月16日、科学産業研究機構(CSIR)が7件の技術を産業界にライセンス供与し、10件のインド版認証標準物質「バーラティヤ・ニルデシャク・ドラヴィヤ(BND)」を公開したと発表した。

(出典:PIB)
ニューデリーのCSIR本部で開かれた式典は、CSIR国立物理研究所(CSIR-NPL)とCSIR中央道路研究所(CSIR-CRRI)が共同で開催した。式典では、CSIR-NPLが開発した量子センシング応用向けの5個の蒸気セルも、防衛研究開発機構(DRDO)傘下の固体物理研究所(SSPL)に引き渡された。
CSIR-NPL所長のベヌ・ゴパル・アチャンタ(Venu Gopal Achanta)教授は、測定科学と計量学が科学の進歩、産業発展、国家品質インフラの基盤を成すと説明し、信頼できる測定が製造、貿易、医療、環境モニタリング、新興技術を支えると強調した。公開されたBNDは、8種類の植物化学物質、1種類の貴金属、1種類のプロパンガスを対象とする。研究所、産業界、規制機関に信頼できる標準物質と測定標準を提供し、正確性、トレーサビリティー、品質保証を高めることが期待される。
産業界にライセンス供与された技術は、CSIR-NPLのリュードベリ原子を用いて広い周波数帯の電場を測定する技術、大容量PM2.5インパクターサンプラー、医薬品ブリスター包装と関連包装廃棄物をリサイクルする環境配慮型プロセスの3件、CSIR-CRRIの橋梁向けドローンベース非破壊検査システム、光触媒作用で空気浄化を図るナノ光触媒舗装シーリング材、ポットホール補修機、グレア低減装置の4件である。
CSIR薬用アロマ植物中央研究所(CSIR-CIMAP)所長のP・K・トリベディ(P. K. Trivedi)博士は、品質標準と標準物質がインドのバイオエコノミーと植物化学分野を支えると指摘した。CSIR-CRRI所長のCh・ラビ・セカール (Ch. Ravi Sekhar) 博士は、CSIR-CRRIの技術移転件数が近年着実に増えていると述べた。DSIR長官でありCSIR総裁を務めるN・カライセルヴィ(N. Kalaiselvi)博士は、技術移転は単なる取引ではなく、科学研究が産業界との連携を通じて社会に届く到達点だと強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部