2026年07月
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次のパンデミックに備え、エボラとハンタウイルスの流行から学ぶこと インド

ウイルス学者のシャヒド・ジャミール(Shahid Jameel)氏は、エボラとハンタウイルスの最近の流行が、パンデミックへの備えの改善点と危険な空白を示していると指摘した。科学誌nature indiaが6月16日に伝えた。

ジャミール氏は、英国のオックスフォード・イスラム研究センターと、オックスフォード大学グリーン・テンプルトン・カレッジのフェローで、インドのイグナイト生命科学財団理事長を務める。インドでは2021年5月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第2波がピークを迎え、公式には1日当たり約40万人の感染者と約5000人の死者が記録された。5年後の現在、次のパンデミックに私たちはより良く備えられているのかという問いは残る。

ジャミール氏は、南極クルーズ船「MVホンディウス」で起き、複数の死者を出したハンタウイルス感染の集団発生と、中央アフリカで再燃し、6月13日までに700人超の感染者と150人超の死者を出したエボラ流行を比較した。エボラは数十年にわたり疫学研究、監視体制、ワクチン、治療法、迅速な国際対応の仕組みが整えられてきた。これに対し、ハンタウイルスは専門家以外では継続的な関心を得にくい、比較的軽視された人獣共通感染症の脅威だという。

エボラでは、過去の流行経験に基づき、監視体制や診断経路、流行調査、科学者ネットワークを迅速に動かせた。一方、ハンタウイルスは国際旅行、民間事業者、多国籍の乗客が関わる異例の環境で出現し、初期症状も一般的な呼吸器疾患に似ていたため、検出が遅れ、責任の所在や調整も複雑になった。

この比較から、備えは経験済みの危機には強いが、既存の型に合わないものには脆弱であることが浮かび上がる。エボラでは専用治療センターや臨床知識が蓄積されているが、資源不足や人員不足は残る。ハンタウイルスでは、症例認識後の病院治療は概して有効だったものの、拡大防止に十分な速さで予期せぬ病原体を認識することが課題だった。

さらに、COVID-19後に急増した世界保健支出や監視能力の多くは緊急対応主導で制度化されず、2024年以降は多くの国で備えの資金が鈍化または減少していると警鐘を鳴らす。次のパンデミックは前回と似ているとは限らない。備えは特定の病原体ではなく、監視、研究所、病院、科学者、政策立案者、地域社会が迅速に連携できる強靱な体制を軸に構築すべきだと結論付けた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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