2026年07月
トップ  > インド科学技術ニュース> 2026年07月

謎の宇宙X線閃光、発生源の手がかりを発見 インド

インド科学技術省(MoST)は6月19日、インド科学技術庁(DST)傘下のインド宇宙物理学研究所(IIA)などの研究者らが、高速X線トランジェント(FXTs)「EP241107a」の多波長観測から、ガンマ線バースト(GRB)に似た爆発に関連する可能性を示したと発表した。研究成果は学術誌Monthly Notices of the Royal Astronomical Societyに掲載された。

図: 高速X線トランジェントEP241107aに対応する天体の検出画像。矢印で示した天体を、GROWTHインド望遠鏡で可視光観測した画像(左)と、超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)で電波観測した画像(右)。
(出典:いずれもPIB)

FXTsは、宇宙の激しい現象に伴う、繰り返し発生しないX線閃光で、約10年前に見つかった突発天体の一種だ。数分から数時間だけ低エネルギーX線の増光として現れ、急速に暗くなるため観測が難しく、起源は未解明だった。重力崩壊型超新星のショックブレークアウトや、連星中性子星合体後の強磁場中性子星などが起源候補とされる。

IIAの博士研究員ディーパック・イアパチェン(Deepak Eappachen)氏とアルヴィンド・バラサブラマニアン(Arvind Balasubramanian)氏が主導した研究チームは、中国の宇宙ミッション「アインシュタイン・プローブ」が2024年11月7日に検出したEP241107aを対象にした。カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)で対応電波源を発見し、インド天文台のヒマラヤ・チャンドラ望遠鏡(HCT)とGROWTHインド望遠鏡(GIT)で可視光観測を行った。アップグレード巨大メートル波電波望遠鏡(uGMRT)、ケック天文台、南天天体物理研究望遠鏡(SOAR)も追跡観測に用いた。

可視光・電波観測を他の銀河系外トランジェントと比較し、母銀河の性質も分析した結果、EP241107aは、大質量星の崩壊または2つの中性子星の合体による、GRBに似た爆発に関連することが示唆された。残光モデルでは、全方向に等しく放射されたと仮定した場合、数カ月間に天の川銀河の全恒星が放つ総エネルギーに匹敵する運動エネルギーを持つ強力なジェットが生じたことが示された。

著者らは、EP241107aはGRB起源である可能性が最も高いと結論付けた。ガンマ線では直接検出されなかったものの、GRB起源と明確に結び付けられる、詳細に調べられたまれなトランジェントであり、「オーファン残光」と呼ばれることがある。既知のGRB集団の低エネルギー側に位置するGRBを表している可能性がある。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

  • アジア・太平洋総合研究センター
  • Science Japan
  • 客観日本
上へ戻る