インド理科大学院(IISc)の研究者らは、西ガーツ山脈の渓流に生息する3属のカエルを調べ、体の大きさの違いに基づく群集の構成は、進化的な分化ではなく、競争による生態学的な選別によって生じた可能性が高いことを明らかにした。科学誌nature indiaが7月17日に伝えた。研究成果は学術誌Evolutionに掲載された。
研究チームは、生物多様性が豊かな西ガーツ山脈で大規模な野外調査を実施し、デカンガエル属(Nyctibatrachus)、コイワガエル属(Micrixalus)、ハイララナ属(Hylarana)のカエルを調べた。各地点では、各属に体の大きさが異なる複数の種が生息し、同じ大きさの2種が一つの群集に含まれることはほとんどなかった。デカンガエル属には極小から特大までの種、コイワガエル属のダンシングフロッグには大型種と小型種があり、渓流や池にすむハイララナ属にも同様の傾向が見られた。
このパターンについて、研究チームは、カエルが異なる大きさへ進化した可能性と、競争を最小限にするよう異なる大きさの種が群集を構成した可能性を検討した。共存する種の間と、異なる場所にすむ近縁種の間で体の大きさの変異を比較した結果、3属全てで近縁種間の体の大きさは変わらずに保たれていた。このことから、進化的な分化ではなく、競争による生態学的な選別が群集を形作った可能性が示された。
体の大きさは、餌や捕食者、利用する微小生息環境と直接関係する。大型のデカンガエル属は速い流れに耐えられるため渓流の中央部にとどまり、中型種は浅い場所、小型種は落ち葉の中で暮らす。また、大きな体は縄張りや雌を守るのに有利な可能性がある。研究を率いたIISc生態科学センターのカルティク・シャンカー(Kartik Shanker)教授は「これは、種の共存を理解するのに役立ちます」と話した。研究に参加していないガンジー工科経営大学(GITAM)の進化生物学者アパルナ・ラジミ(Aparna Lajmi)氏は、複数のカエル属にわたる大規模なサンプリングと比較研究は「極めてまれです」と評価した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部