インド電子・情報技術省(MeitY)は7月29日、政府が行政と公共サービスへの人工知能(AI)導入を進めるため、62省庁から762件の課題を特定し、全国の州・連邦直轄領に58カ所のAI Center of Excellence(COE)を設置する計画と、中小規模の地方都市(Tier-2、Tier-3都市)に543カ所のデータ・AIラボを設置する計画を承認したと発表した。
インドのAI戦略は、年間売上高3000億ドル、600万人が働くIT部門を基盤とする。インドAIミッションは、AIコンピュート、基盤モデル、アプリケーション開発、インドAIフューチャースキルズ、データセット基盤「AIKosh」、安全で信頼できるAI、スタートアップ資金支援の7本柱で構成される。基盤モデルでは、国産の大規模言語モデル、マルチモーダルモデル、分野特化型小規模言語モデルを開発する。
アプリケーション開発では、医療、農業、行政、気候、サイバーセキュリティー、金融規制などを対象に、全国規模のハッカソンとイノベーション・チャレンジを11件開始した。顔認証チャレンジでは、公的試験の信頼性を高めるため、AIによる重複排除と1対多の顔写真照合を行う2チームを連邦公務委員会(UPSC)への導入向けに選定した。多言語文書から情報を抽出、分類、検証、構造化する文書処理チャレンジでも、2チームのUPSCへの導入が進む。
人材育成では、産業訓練校と工科専門学校に543カ所のラボを設け、AI、データアノテーション、データキュレーション、応用データ科学の研修を提供する。うち18カ所はタミル・ナドゥ州に設置し、COEも2カ所を同州に割り当てた。全国178機関で学部生、大学院生、博士課程学生に計686件のフェローシップを授与し、うち162件は同州の学生向けだった。
政府はAI導入の透明性、説明責任、データプライバシー、アルゴリズムの公平性、独立監査を確保するため、AIのバイアス軽減、アルゴリズム監査、説明可能なAI、プライバシー保護AI、ディープフェイク検出など、責任あるAIの13プロジェクトを選定した。これらは、ジティン・プラサダ(Jitin Prasada)電子・情報技術担当閣外相が同日、下院(Lok Sabha)に提出した情報による。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部