インド科学技術省(MoST)は7月27日、インド宇宙物理学研究所(IIA)などの研究者らが、形成の最中にある青色はぐれ星(BSS)を発見し、連星の伴星からの物質移動によってBSSが形成されることを示す直接的な観測証拠を得たと発表した。研究成果は学術誌Astrophysical Journal Lettersに掲載された。

コリンダー261にあるアルゴル型連星系の写実的なイメージ。ロッシュローブを満たす伴星から、高速回転する青色はぐれ星(BSS)へ活発に物質が移動する様子を示す
(出典:PIB)
BSSは、星団内の同世代の星より高温で明るく、質量が大きく見える特異な星で、その起源と進化は長年の謎だった。伴星から物質を得るか、星同士の合体で質量を増して「若返る」と考えられてきたが、形成過程の直接的な観測例は極めて少ない。
IIAの研究者らは、約9500光年先の古い散開星団コリンダー261にある連星系TIC 327546480を調べた。米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡TESSによる高精度の光度曲線と、チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(VLT)による視線速度の測定結果を組み合わせた。
解析により、この連星系は半分離型で、膨張した低質量の伴星がロッシュローブと呼ばれる重力的境界を越え、BSSへ物質を移していることが分かった。強いX線放射も検出され、伴星からの物質がBSSに降着していることを示す独立した証拠となった。BSSは太陽の約1.67倍、伴星は約0.32倍の質量を持つ。公転周期は2.11日、質量比は約0.19で、BSSは降着物質によって加速されたとみられる約69.55km/sの速さで回転する。進化モデルでは、物質移動は約54億6000万年前に始まり、現在も続く。星団自体の年齢は約70億年と推定された。
筆頭著者でガウハティ大学博士課程のアリ・ハサン・シェイク(Ali Hasan Sheikh)氏は、詳細な数値を示し、物質移動が現在も進むと説明した。IIAのアンナプルニ・スブラマニアム(Annapurni Subramaniam)氏は「BSSの起源を説明する有力な理論の一つに、直接的な観測証拠をもたらします」と述べた。IIAのラム・サガル(Ram Sagar)氏は「恒星天体物理学における数十年来の謎の解明に役立ちます」と研究の意義を語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部