2026年09月
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赤色光で乳がん細胞を死滅させ転移も抑える金ナノロッド複合体を開発 インド

インドの国立工科大学アガルタラ校(NIT Agartala)とCSIRインド化学技術研究所(CSIR-IICT)の研究者らは、赤色光の照射により乳がん細胞内で活性酸素種(ROS)を発生させ、細胞を破壊するナノプラットフォームを開発した。科学誌nature indiaが8月12日に伝えた。研究成果は学術誌Journal of Photochemistry and Photobiology B: Biologyに掲載された。

両研究機関の研究者らが合成したナノプラットフォームは、遷移金属化合物であるオキソバナジウム錯体を用いる。乳がん細胞内に入り、ROSをミトコンドリアへ送り届けることで、細胞に本来備わる自己破壊機構を作動させ、がん細胞を死滅させる。研究チームは、光を受けると大量のROSを生じるオキソバナジウム錯体に、正に帯電した分子タグを取り付けた。このタグは負に帯電したミトコンドリア膜へ自然に引き寄せられるため、光感受性化合物をミトコンドリアへ誘導できる。

研究を率いたNIT Agartala化学科のミトゥン・ロイ(Mithun Roy)氏らは、効率を高めるため、このシステムに金ナノロッドを結合させ、より長い波長の光に反応するようにした。これにより、ナノシステムは組織のより深部まで到達して、さらに多くのROSを生成した。大量に生じたROSは細胞の抗酸化防御を圧倒し、制御された細胞死を引き起こした。

ナノシステムはさらに、がん細胞が移動して全身へ広がることを可能にする生物学的過程、上皮間葉転換(EMT)を抑制した。これにより、がん細胞がほかの臓器へ移動するのを阻み、転移を防ぐ。研究者らは、乳がん細胞のミトコンドリアを標的として破壊するとともに、がん細胞の移動と全身への広がりを抑えるこのナノプラットフォームが、がん治療の新たな戦略として利用できる可能性があるとしている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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