2026年09月
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水産養殖に関する化学物質690種、規制情報は8%のみ インド

インドの数理科学研究所(IMSc)と国立沿岸研究センター(NCCR)の研究者らは、水産養殖で使用または実験される化学物質690種を収録したデータベースを構築し、規制情報が確認できたのは約8%にとどまることを明らかにした。科学誌nature indiaが8月18日に伝えた。研究成果は学術誌Cell Reports Sustainabilityに掲載された。

「水産養殖用化学物質とその生態毒性に関するデータベース(ReCAnt)」は、世界の250件超の研究を基に、養殖場で実際に使われる71種と実験でのみ試験された619種を収録した。水産養殖用の承認リストに限らず、化学物質一覧、環境有害性分類、科学文献で報告された規制状況なども照合したが、規制情報が1件以上見つかったのは57種だった。広域抗菌薬クロラムフェニコールなど7種はインドのエビ養殖で使用禁止とされる一方、養殖で駆虫剤として使われるクルクミンの規制文書は確認できなかった。ただし、記録がない物質も監視を免れているとは限らず、科学文献などへの収録不足の可能性がある。

収録物質の約半数は天然物や植物由来製品で、薬剤耐性に対処する代替薬への移行を反映していた。しかし、こうした天然物や精油は従来の化学物質規制の対象外となることが多く、複雑な混合物のため監視・評価も難しい。毒性データとの照合では、曝露に関連する89疾患と約8000遺伝子を特定し、肝臓・腎臓障害が頻繁に報告されていた。欧州の監視リストとの照合では37種が難分解性、生物蓄積性、移動性、毒性を持つ物質に該当し、うち抗菌薬など6種は「極めて難分解性かつ極めて移動性が高い」と分類された。

さらに、毒性データを世界の種間相互作用データベースに重ね、養殖81種と食物連鎖上の野生動植物200種超を関連付けた。防汚剤イルガロールは39種の捕食者と潜在的な曝露の関連を示し、対象物質中で最多だった。オオミジンコは、汚染生物から養殖魚介類へ化学物質をつなぐ中間生物として繰り返し現れた。IMScのアリジット・サマル(Areejit Samal)教授と博士課程のシュレイエス・マドガオンカー(Shreyes Madgaonkar)氏らは、ReCAntを確定的なリスク評価ではなく、詳しい調査を要する物質のスクリーニングと参照に活用できるとしている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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