インド地質調査所などの研究者らは、インド東部のシンブーム・クラトンで、炭素質の微生物マットの痕跡を持つ35億年前の石英に富む岩石を発見し、地球上で知られる最古級の微生物の証拠である可能性を示した。科学誌nature indiaが8月20日に伝えた。研究成果は学術誌Proceedings of the National Academy of Sciencesに掲載された。
発見されたのは、白黒の縞模様を持つ堆積岩のチャートで、生物学的炭素固定を示す化学的特徴が認められた。火山活動を伴う海盆で形成されたとみられ、炭素質物質と石英質堆積物からなる厚さ1mm未満の層が交互に重なっている。責任著者でインド地質調査所のトリスロタ・チョードリー(Trisrota Chaudhuri)氏によると、この構造は古代の微生物マットに似ているという。石英中の微小なジルコン粒子は火山灰として堆積した可能性が高く、その年代測定からチャートは約34億9700万年前のものとされた。
チャート中の炭素は、形成当初から石英中に存在する微細な層と、はるか後に亀裂を埋めた石英脈中の粗粒のグラファイトという2形態で存在していた。ラマン分光法によると、年代の古い前者は、堆積岩中にみられる固体でろう状の有機化合物の混合物である古代のケロジェンと整合する。この炭素はほとんど乱されず、元の生物学的シグナルを保っているとみられる。一方、石英脈中の炭素は、地域的なせん断運動に関連する熱水流体によって変質していた。
研究チームは、炭素が生物由来の特徴を持つかを調べるため、炭素と窒素の同位体を測定した。炭素同位体比を示す値は約-30.9‰で、研究チームはこれを生物学的炭素固定の証拠と解釈した。また、この同位体の証拠は比較的高度な代謝経路と整合するとしたが、結果の確認にはさらなる研究が必要だとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部