2026年10月
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有機分子の自己集合で金属フリー光触媒の性能を18%向上 インド

インド科学技術省(MoST)は9月9日、科学技術庁(DST)傘下のナノ・ソフトマター・サイエンスセンター(CeNS)の研究者らが、天然アミノ酸と光吸収性有機分子を組み合わせ、完全に金属を含まない有機材料による太陽光駆動型水素製造の性能を向上できることを明らかにしたと発表した。研究成果は学術誌Journal of Materials Chemistry Aに掲載された。

水素は燃焼時に水しか生じない有望なクリーンエネルギーキャリアだが、太陽光で水を水素と酸素に分解する既存の光触媒の多くは、製造が難しく高価な無機半導体や貴金属に依存する。そこで研究チームは、天然アミノ酸のアスパラギン酸と光吸収性有機分子のペリレンジイミド(PDI)を組み合わせ、超分子自己集合によって分子を自発的に組織化させた。

合成したアスパラギン酸官能化PDI分子は、水中で自発的に自己集合して高度に規則化された2次元ナノシートを形成した。アミノ酸部分が強固で広範な水素結合を促す一方、PDI発色団がπ-πスタッキングと効率的な光吸収を促し、両者の相乗作用が分子の組織化と材料の機能特性を決める。この分子再編成は化学組成を変えることなく、光吸収範囲を大幅に広げ、電荷分離を向上させ、エネルギー損失を抑えるとともに、触媒反応に利用できる表面積を増加させた。その結果、自己集合材料は太陽光駆動型水分解において、バルク状態の材料より約18%高い光電流を生じた。

高度な電気化学測定と密度汎関数理論(DFT)計算から、自己集合が電荷輸送を効率化し、アミノ酸による分子の双極子モーメントの増大が、水素発生を駆動する光生成電荷の効果的な分離を促すことも分かった。研究を主導したCeNSのゴータム・ゴーシュ(Goutam Ghosh)博士とアシュトシュ・K・シン(Ashutosh K. Singh)博士は、スーラヴ・モイラ(Sourav Moyra)氏、クマール・シュバム(Kumar Shubham)氏、アティラ・チャンドラン・M(Athira Chandran M)氏と研究を実施した。この分子設計戦略は、グリーン水素製造や人工光合成、太陽燃料生成、次世代の再生可能エネルギーデバイスへの応用が期待され、高価で希少な金属への依存低減につながる可能性がある。

(出典:PIB)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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